夜の１０時過ぎ、塾から帰って来た上の子と妻が外で何やらガヤガヤと騒がしい。

玄関の扉を開けるなり、
上の子「ホタルがいるよ。」
下の子「えーっ、どこどこ？」
ドタバタ、ドタバタ・・・・

走ってでていく、子ども達につられて出て行くと、家の横を流れる水路の脇の木の枝に一匹、その向こうに飛びながら点滅しているのがもう一匹。
まわりは田んぼということもあるが、めずらしい。
しばし家族でホタル観賞。

最近同じ家の中に暮らしていても、それぞれがなんか慌ただしく意識がひとつになる機会がなかったような気がする。
そんな中、小さな命が放つ小さな光を、今いっしょに暮らしている家族と息を止めて見つめていることをとても嬉しく思う。
これから先、もう二度とこれと全く同じシーンはないんだよな。

まわりを人間が作った様々な便利な明かりに囲まれて生活している私達。
でも日常忘れている大切なことを見つめ直す機会には、小さな明かりがひとつでいいんですね。
ホタルさんに感謝。

家に戻って玄関で、「変な格好。」と妻の一言。
確かに！
パジャマに黒の革靴。
危ない人でした。

眠り屋　店主

text=アフター９のリラックス いとしや