良質な生活にはアートを!
贅沢ではなく、良質な生活を送るためには、『美しいもの』というもの選びのキーワードが必要です。
ここで、このページに興味を持って頂けた方へ、一冊の本をご紹介しておかなければなりません。
いとしや店主が、大分店をオープンして間もなく、非常に感銘を受けた一冊で、いとしやの空間づくりや商品選択の軸になっています。
タイトルは、『もっと素敵な良質生活』(2000年) 著加藤ゑみ子
現在は、その大幅改正新装版として、『上質生活』となり、お店でも販売しております。
その本の一節に、どうしてもご紹介したい内容があります。
少し長くなりますが、加藤先生への敬意を表して、そのままご紹介させて頂きます。
『現代のものの多くは、量産品です。そのなかにも、良質なものを見つけることができないわけではありませんが、量産品とはもともと、多くの人に利便性と安全生をリーズナブルな価格で提供するものであり、その価格設定には、大量に売れるという前提があります。
これに対し、良質なものは、選び抜かれた材料を用い、洗練された技術で人の手を加えて、いかに目的にふさわしいものとするかを吟味して作られます。そこで期待されるのは、できるだけ大量の人に使われることではなくて、よい使われ方をすることです。良質なものは、決して贅沢を目指してつくられるわけでも使われるべきものでもありませんが、現代では、このことの結果として、良質なものがそのまま贅沢さにつながることになっているのです。
良質な空間では、不必要なもの、目障りなものがなく、人の動きをよい流れで受け止め、特に目立つものもないのに居心地の良さだけが感じられること、触れても決して違和感を与えない素材の優しさがあることが必要です。良質なものが特に際立つことなく、その空間にとけ込んでいることが求められます。
時間と空間の「質」は、ものと空間の充足の度合いによって多くが決定されますが、もっとも大きな影響力をもつのは、人です。その時間と空間の中で、交わされる会話、行為です。短時間であっても、そこで満ち足りた感情に包まれ、さらにそれを他の人と共有する喜びを得ることができれば、それこそが、良質な時間であり、良質な空間となるでしょう。』
いかがでしょう?
眠りにつく前のこんなひとときにふさわしい居場所としてのアートをご紹介します。