暮らしに手仕事の彩り
合理性という味気なさに、非合理性な『風情』を少し加えてみる。
住空間が、ますます西洋化かつシンプルになりつつありますが、 整えられた空間に、またこれから整えたい空間に、手仕事の粋な彩りはいかがでしょう。
作家さんの想いから、手仕事によって一枚一枚形作られたものに触れていると、暮らしに『遊び心』という楽しさの設えの大切さを感じます。
と同時に、大量生産による画一された物にはない、作り手のやさしさやあたたかさを感じます。
このような商品は、普段なかなか目にする機会はないと思いますが、いとしやには人とのご縁で集まってきています。
これからもここいとしやが、直接的でも間接的でも、人との出会いの場となれば嬉しいです。
座布団
日本の住空間の変化を受け入れる
一昔前と違って、最近の日本の住環境は、ずいぶん洋風化しました。
新築でも畳の部屋はなくなり、ほとんどがフローロングの床になりました。
しかし、そもそも靴を脱いで家に上がる習慣を持つ私たちは、やはり西洋の人達と、床で寛ぐ感覚が異なります。
やっぱり床の生活が落ち着く
そこで、畳の上だけにこだわらず、フローリングの空間にも似合う、お洒落で粋なデザインの座布団をご紹介。
職人さんのこだわり
こちらの座布団は、全部職人さんが染め、職人さんが仕立てた手作りの座布団。
生地は、柿渋染めや藍染め、臈纈染め、手絞り、刺し子等、趣のあるものばかり。
いわゆる大量生産ではマネのできない風合いです。
中綿の整形も、布団職人さんによるもの。
シート状になった綿を、繊維が互い違いになるように重ねて(綿切れを防ぐ工夫)、座布団の形に整形して行きます。
出来上がった座布団は、ふっくら盛り上がった真ん中から四隅に向かって優美な曲線を描きます。
真ん中にしっかり綿を詰め、四隅の角まできっちり綿を入れるという職人さんのなせる技なのです。
こうすることで、多少ヘタっても、優美な曲線はそのままで、『品』を保てます。
太陽に当てると、復元するのも綿100%の良さ。
もちろんいよいよへたったら、側生地を再利用して、打ち直しもできます。
サイズは伝統的な銘仙版(55cm×59cm)から、ちょっと小さめのかわいい小座布団(45cm×47cm)など、ソファや、ダイニングチェアの上にも置いてもOK。カラーやデザインを組み合わせても素敵です。
一度手にとって、その感触を体験して頂き、機械で作る大量生産品と比べて頂ければ幸いです。
何故か、やさしい気持ちになれますよ。
銘仙座布団(55cm×59cm) ¥13,200-(税込)〜
小座布団(45cm×47cm) ¥5,280-(税込)〜
本麻肌掛布団
夏の夜の快適な眠りは、エアコンによる温度や湿度の機械的な調整だけでは味気ない。
かつてエアコンがない時代、日本人は五感を通して『涼』を感じていました。そこには『風情』という文化が存在していました。
職人が仕立てた麻100%の肌掛布団は、季節を愉しむ大人の眠具です。
シングルサイズ(150cm×210cm)のみ ¥53,900- (税込)
本麻暖簾
部屋を構成するものは、床、壁、天井、扉、窓ですが、日本人はそこに『透け感のある動き』の面白さを設えます。
それは、光をやわらかく遮ったり、人影はわかるがはっきりと見せないやさしさや、風の流れを感じる揺らぎ、自然と頭を下げる所作の美しさ等です。
世界に一枚しかない手仕事で染めた暖簾。季節によって、変えてみるのも趣のある暮らし方ですね。
サイズ90cm×150cm ¥33,000-(税込)~
こたつカバー(布団)
かつては日本のどこの家庭にもあった『おこた』。住環境や暮らし方の変化に伴い、その姿はだんだん少なくなってきたように思います。
それとともに無くなったのが、『囲む文化』。そこには、人間関係を微妙に調整する感性を育む場の存在があったように思います。
そんな『場』にふさわしい、粋な柿渋染や藍染、手絞り、臈纈染、手描き文様のカバー(布団)はいかがでしょう。
各種サイズあり
正方形(210cm×210cm) ¥33,000-(税込)〜
作家さんのこと
暮らしに和の彩りを効かせる
染色作家 宮崎登志雄
元は家業がお布団屋さんだった宮崎さん。昔、布団は綿を買ってそれぞれの家で仕立てるか、布団屋さんに作ってもらうことが普通だったんですが、時代の流れで、工場で大量に作ったものをお布団屋さんが仕入れて、店頭に並べて売るというスタイルに変わって行きました。既製品の布団は、そこの店主自身も一度も使ったことがない。ただ棚に陳列して柄や値段で売りさばく。汚れて使えなくなれば捨てて買い換える。そんな売り方に納得がいかなかったんだと。そしてお布団屋さん(販売)をやめて、自ら納得のいく物作りをする職人になって行きました。
愛着を持って暮らす
そんな宮崎さんの作品は、職人らしい凛とした厳しさと、その反対側にある優しさを感じさせる。今私達の暮らしは、大変便利にはなりましたが、一方、何となく味気なさを感じませんか。人の手仕事から生み出される物が設われた空間には、粋や味わいのような空気が佇んでいます。それともう一つ・・・・。
『ほっこり感』、宮崎さんがよく使う言葉です。私が宮崎さんの染物に出会った時の感動を、いとしやに縁のあった多くの方に共有して頂きたいです。