本当に心地よい【羽毛布団】の選び方とお手入れ方法
寒くなってきたら押入れから登場するイメージの掛布団ですが、みなさんは今どのような掛布団を使っていますか?
中身の素材は?
側地や掛けカバーの素材は?
使用年数は今どのくらいでしょうか?
毎日使っていると、なかなか改めて気にとめない方も多いかもしれませんが、今一度お使いの掛布団の情報をチェックしてみてください。
掛布団の情報は大抵の場合、横側のタグに詳細が記載されています。
(写真:いとしやオリジナル羽毛掛布団 嫋嫋)
掛け布団については、よくお客様からも
「どんな掛布団が温かいの?」
「クリーニングやメンテナンスってどうしたらいいの?」
などのご質問をいただきます。
どんなものがよいのかイマイチよくわからず、買い換えようかなと思いつつも、今お使いの掛布団をずっと使っているという方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、掛布団のなかでも人気の【羽毛布団】をテーマに、いとしやが提案させていただく掛布団へのこだわりや使用する際に気をつけて欲しいことを
- 羽毛布団を購入する前
- 羽毛布団を使用する時
- 羽毛布団のお手入れ
の3つに分けてお伝えいたします。
1.【羽毛布団を購入する前】良い羽毛布団を選ぶ8つのポイント
羽毛布団を選ぶ際には、次のようなことを知っておくとよりよい判断材料になるでしょう。
1-1 . 水鳥の羽の種類
羽毛布団は水鳥の羽を使って作られているのですが、水鳥の部位によって羽の種類も呼び名も異なってきます。
よく「ダウン」とか「フェザー」という名称を聞くと思いますが、上記のイラストのように、胸部と羽根部分で呼び名も形状も違ってきます。
≪ダウンとフェザーの違い≫
では「ダウン」と「フェザー」はなにが違うのかご説明しますね。
ダウン=羽毛
「ダウン」はタンポポの綿毛のうような形状をしており、水鳥の胸部の毛のことを言います。
フェザー=羽根
「フェザー」は、羽毛の芯のところに湾曲した羽軸(うじく)がある毛のことをいいます。もっと細かくいうと、6.5cm以上を「フェザー」といい、6.5cm未満のものを「スモールフェザー」といいます。
掛布団には6.5cm未満の「スモールフェザー」を使用します。
このように水鳥の「ダウン」と「フェザー」の羽毛の重さでは、フェザーのほうが羽軸がある分重くなってきますので「ダウン」が多く使用されている布団のほうが軽くなります。
1-2 . 羽毛布団と羽根布団
次は「羽毛布団」と「羽根布団」の違いについてご説明します。
羽毛布団とは、ダウンを50%以上使った布団をいい、羽根布団は、フェザーを50%以上使った布団のことをいいます。
ちなみに羽根(フェザー)の量が多いと、触った時に羽軸(うじく)がわかります。また、かさ高が出ないため、保温性は減ります。
よく製品のタグに「ダウン○○%・フェザー〇○%」という表記があるのですが、この割合のことを「混毛率(こんもうりつ)」といいます。この混毛率で、ダウン90%以上の羽毛布団が軽くて温かいのです。
1-3 . 水鳥の種類
水鳥といってもその種類によって、大きさは異なります。
イラストで見ていただくとわかるように、グース(ガチョウ)の方が体が大きく、なかでも成熟した親鳥であるマザーグースのダウンボール(ダウンひとつひとつの大きさのこと)が大きく、保温性に優れています。
なので羽毛布団に温かさを第一に求めるのであれば、「マザーグースダウン」が「90%以上」の羽毛布団が最も温かくてオススメです。
↑(左:マザーグース 右:ダック):こんなにダウンボールの大きさは違うんです!
1-4 . ドレープ性
体にほどよくフィットし、布団と体の隙間が少ないことを「ドレープ性がある」と言います。
ドレープ性のある羽毛布団は、寝姿勢に関係なく体温を維持してくれるため、寝返りによる肩や足元などから冷たい空気が入ってくることを防ぎます。
感覚的には布団を「掛ける」ではなく「包まれる」状態です。
パンパンの羽毛布団ではなく、ほどよくドレープ性のある羽毛布団を
羽毛布団は中材の量(詰めもの重量)がたくさん入っていればいいというわけではありません。
見た目からしてパンパンに入っているものは体にフィットせず、肩や足元の隙間から冷たい空気が入ってきます。
先述したマザーグースの羽毛のようにひとつひとつが大きいダウンボールの羽毛は、たくさん量を入れなくてもかさ高(空気の層)が出るので重量としては軽いですが、保温性は高いのです。
羽毛布団を選ぶときは、どんな水鳥の羽毛がどのくらい入っているか、よくチェックしましょう。
1-5 . 産地
羽毛布団選びは水鳥がどんな地域で育ったのかという点も重要。
できるだけ自然に近い環境であることはもちろん、清潔で豊富な水量があり、寒い地域で育った水鳥の羽毛は良質であると言われています。
その中でも代表的なのはシベリア・ポーランド・ハンガリーなどが原産の羽毛です。
製品タグに、産地が記載されているので、チェックしてみましょう。
1-6 . 精製過程
羽毛の精製過程では、自然系洗剤で大量の綺麗な水を使用し洗浄します。
この過程をしっかりすることで、においが残りません。さらに、除塵(細かいゴミをきちんと取り除くこと)が重要です。
これは、タグなどには表記されませんので実物を匂ってみてもいいかもしれませんね。
1-7 . 側生地
吸湿発散性に優れたダウンの機能を最大限発揮できる布団を選ぶには、「側生地」の心地よさにこだわったものを選ぶことも大切。
結論からいうと、側生地の素材としては、綿100%のものがオススメ!
側生地選びには次のような点を気をつけておくとよいでしょう。(側生地の素材はタグに表記されています)
【通気性がよい】…羽毛の呼吸を邪魔しないような、通気性の良い生地がよいでしょう。
【軽い】…羽毛自体が軽くて温かいので、側生地が重いと羽毛のかさ高が減少してしまい、保温性が減ります。
【柔らかさ】…羽毛のドレープ性を妨げないために必要です。
【丈夫である】…織り方では平織り(バチスト)が最も丈夫です。
1-8 . 縫製
縫製の仕方によっても羽毛布団自体の丈夫さが変わってきます。
マチがあると空気の層が厚くなり、より保温性がアップしますので、マチの有無もチェックしましょう。(マチの有無は、表と裏の縫い目をつまむとわかりますよ)
羽毛布団選び。可能であれば実際に体感してください!
8つの選び方のポイントをご紹介しましたが、最も大事なことは、実際に空気を十分含ませた羽毛布団を体の上に掛けて体感をして選ぶことです!
温かさや体へのドレープ性、軽さ、寝返りのしやすさなど、ご自身の感覚でしっかりと感じて選んでいただきたいと思います。
2.【羽毛布団を使用する時】羽毛布団の本当の快適さを実感する上手な使い方
次に羽毛布団の良さを最大限発揮するためのポイントをお伝えします。
羽毛布団は、身体に直に掛けるのが一番良いと言われていますが、側生地や綿素材の掛カバーだと、お布団に入った時に少しヒヤッと感じてしまうこともあります。
そんなときは毛布をうまく使うことでお布団に入った時も心地よく感じられます。
この毛布の使い方ですが、素材によってかける場所が異なるんです!
より羽毛の心地よさを生かすためにも、正しい使い方を知っておいていただけたらと思います。
2-1 . 身体に一番近い所に掛けるのは天然素材の毛布を
羊毛やカシミア、綿などの天然素材を使った毛布は保温性・放湿性に優れているため、身体に一番近い所で使ってこそ羽毛の良さを十分に引き出してくれます。
また登山やウィンタースポーツ用に開発された高機能フリース素材は、化繊ですが通気性・放湿性・ドレープ性に優れ、軽いので羽毛の機能を妨げません。
2-2 . アクリル素材など化繊の毛布は羽毛布団の下にはNG!
アクリル素材は肌触りは良いのですが、吸湿性、放湿性に欠けてしまい羽毛の機能を活かすという点では相性はよくありません。
ただ、軽量タイプのアクリル毛布であれば、羽毛布団の上に掛けての使用は問題ありません。羽毛が蓄えた熱を逃がさない役割をしてくれます。
ポイントは軽量であること!重たい毛布を羽毛布団の上に掛けてしまうと空気の層がつぶれ、かえって保温性を失ってしまいます。
掛寝具はなるべく軽い方が寝返りをスムーズにし体に負担をかけず、深い眠りが得られます。お持ちの毛布の素材を確認して、ご自身の体調やお部屋の環境に合わせて調節をしましょう。
2-3 . 掛カバーもこだわってほしい!
せっかく良い羽毛布団を買ったのだから、それに掛けるカバーが重たかったり、通気性の良い素材でないともったいないですよね。
カバーもオススメは綿100%の天然素材。
ガーゼ生地やエジプトコットンなど、肌に触れた時も心地よく通気性もあって軽い素材を選びましょう。
「上に掛けるものを良くしてもなんだかまだ寒い…」
「羽毛布団の上に掛けるものも変えてみたのになんだかまだ寒い」。そんな場合、その原因の多くは敷寝具にあるのです。
敷布団1枚でお使いの方は床からの冷えなどが考えられます。またマットレスをお使いの方でも、保温性や汗の吸湿発散がうまくいかないと汗冷えしてしまい、身体を冷やす原因になるため、「敷き寝具」の環境を整えることも大事なポイントです。
(関連:「ベットパット」で睡眠の質が変わる!)
3.【羽毛布団のお手入れ】について
最後に羽毛布団の良さを損なわないために購入した後も、羽毛布団をより快適に長く気持ち良く使っていただくために、日々のメンテナンスのポイントをお話しましょう。
3-1 . 普段のお手入れ
基本は陰干しを両面1~2時間を目安に干しましょう。
直射日光が強く当たる場所では生地の劣化が早まる為、布団カバーをすることで生地へのダメージを軽減できます。
湿気の多い時期や臭いなどが気になる時は、一度羽毛布団を畳み、ぎゅーっと小さくして中の空気を抜き、羽毛布団内の空気の入れ替えをすると湿気や臭いを外に出すことができます。
また、新品の羽毛布団を開封した時や羽毛布団の上に重たい物を置いた後などでつぶれてしまった場合は、空気の層が十分にある程温かいので、中の羽毛に空気を含ませるようにふわっとさせてあげましょう。
3-2 . 羽毛布団を収納する際
専用の通気性の良い袋に入れ、中に防虫剤を入れて、湿気の少ない所(押し入れの場合は上の段)へ保管すると劣化を防ぎ、次に使う時も気持ちよく使えます。
3-3 . 5年以上使ったら、クリーニング
羽毛は汗や湿気は逃がしますが皮脂や汚れが付いたまま長く放置してしまうと、羽毛布団の劣化を早めてしまいます。
いとしやにお持ちいただければ布団専門の特殊なクリーニング法で、中まで綺麗に1枚1枚丁寧に水洗い致します。
羽毛掛布団 クリーニング代(税込)
シングル 6,600円
ダブル 8,800円
納期…2~3週間
3-4 . 10年以上使ったものはリフォームを検討
いとしやではリフォームも承っております。
よく「羽毛布団のリフォーム?そんなことできるの?」と、羽毛布団がリフォームできることを知らず、もう古いから…と処分してしまったという声も聞きますが、捨ててしまうのは大変もったいないことです。
羽毛はずっと使えると言いますが、【羽毛布団】としての寿命はあり、側生地の劣化で羽毛が吹き出たり、布団の中に劣化した羽毛がくずになって溜まってしまっている場合もあります。
羽毛布団のリフォームとは…
「羽毛布団のリフォーム」とは、新品を買うよりも値段もかからず、新品と同じようにまた使えるよう仕立てることです。
側生地を開袋して中の羽毛を一度取り出し、他のものと混ざらないように劣化した羽毛を1枚1枚丁寧に取り除き、残った使える羽毛に必要に応じて足し羽毛をして新しい側生地に充填し直します。
今お持ちの羽毛布団がリフォームが必要かどうか、次の項目をチェックしてみましょう。
1.中の羽毛が吹き出していないか(穴があいていないか)
2.においがするか
3.手で押した時、復元力はあるか
4.軽く叩いてみてホコリがでていないか
5.羽毛の片寄りがないか
6.生地(特に衿元)が汚れていないか
7.羽毛布団に付いているタグを見て
ダウン率が70%以上あるか
もしご自身ではなかなか判断が付かない場合は、一度こちらにお持ち頂いて、専門のスタッフが判断致します。
お電話でも承っておりますのでお気軽にご相談下さい。
羽毛掛布団 リフォーム代(税込)
シングル 約38,500円~
ダブル 約49,500円~
ダブルをシングルにするなどサイズ変更も可能です。
納期…2~3週間 ※時期により異なります。
3-5 . 最後に羽毛布団を使う上で一番やってはいけないこと
「羽毛布団の側生地が破れてしまった!(汗) そうだ!縫って穴を塞いでしまおう!」というのは絶対やってはいけません!
羽毛布団に針で穴を開けてしまうとその穴から次々と羽毛が出てきてしまいます…。
破れたり羽毛が吹き出している時は小さい穴であれば、専用の補修テープで穴を塞ぐのが一番良いです。
側生地の劣化での吹き出しであれば、今後のことを考えるとリフォームをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?きっとこの記事を読み終えた後、
「私が使っている羽毛布団や掛布団はどんな素材だろうか…」
「羽毛布団を使って5年以上経っているけどクリーニングなど1度もしたことないなぁ」
と感じて、お家の掛布団のタグのチェックしたり、自宅でお使いの羽毛布団の未来を考えた方もいるのではないでしょうか?
よりよい羽毛布団を長く使うということは、羽毛の種類・特徴や割合、どのくらいの量が入っているのかなどをしっかりと把握しておくことやメンテナンスが大切になってきます。
寒い季節だけでなく、本来は一年を通して心地良くお使い頂ける掛布団が羽毛布団です。
今使っている掛布団が重く感じる方や羽毛布団は知っているけど本当の羽毛布団の心地よさを知りたい方は、いとしやで実際に体の上に掛けて「ふわ~っと軽くてあたたかい…!」という心地よさをぜひ体感しにお越しください。
体感することで本物の羽毛布団の虜になるはずです!
その他の寝具について、何かご不明な点やお悩み等ございましたらHPもしくはお電話でもお気軽にご相談下さい。
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