アートギャッベ artgabbeh

【アートギャッベ®】の魅力について、いとしや店主がたっぷりと語ります。UPDATE. 2019.2.25

ギャッベ_いとしや_インタビュー5

 

独特の絵柄や色合い、心地よい手触り。イランの南西部のカシュガイ族によって織られている絨毯【アートギャッベ®】は、心地よい暮らしを提案するいとしやの、大切な商品のひとつです。

 

今日はギャッベのなかでも最高のクオリティと言われる【アートギャッベ®】の魅力はもちろん、ギャッベを通じていとしや店主の大杉さんが伝えたいコトなど、余すところなくお話していただきました。

 

 

Q : 大杉さんが【アートギャッベ®】に出会ったきっかけや、取り入れようと思ったきっかけは?

大杉:アートギャッベ®との出会いは8年ほど前にさかのぼります。当時はギャッべ自体、まだ大分ではほとんど知られてなくて、上等な絨毯といえば、ペルシャ絨毯(シルク)というような時代でした。

 

そんなある日、新潟県のインテリアショップさんからギャッベの話を聞いたんです。でもこのときは、正直なところ半信半疑というか「まぁ、とりあえず一度取り扱ってみようかな。」ぐらいの気持ちだったんです。

 

ギャッベ_いとしや_インタビュー①

 

ーー「これ、一目惚れした!」という感じではなかったんですね。

 

大杉:実は、そうなんですよ(笑)。でも初めて【アートギャッベ®】を見て実際に触れたときに、漠然とだけど、これまで出会った絨毯にはない何か独特な魅力を感じたのは覚えています。と同時に、当時はまだ大分県内でもギャッベ自体販売しているところも少なかったので、私としては、もし取り入れるなら上質なものを一番最初に取り入れたい、という想いはありました。

 

ーーじゃあ大杉さんもずっと以前から【アートギャッベ®】の深い魅力を知っていたわけではなかったんですね?

 

大杉:そうですね。取り扱うようになってから、実際に私もたくさんのギャッベを見て触って、そうやって体感していくうちにだんだんと【普通のギャッベ】と【アートギャッベ®】との違いや、魅力を深く知るようなり、どんどんその魅力に惹き込まれていくような感じでした。

 

実際に私の自宅のリビングにギャッベを置いてからは、自然に家族がギャッベのあるところに集まるようになって、ギャッベの魅力を実感したというか、【アートギャッベ®】のクオリティはもちろん、歴史や作り手の暮らし、想いなどを知れば知るほど、いとしやが「眠り屋」として追求し続けている「心地よい暮らしの中の眠り」にすごくフィットするなって感じるようになったんです。

 

ーーいとしやの「想い」とつながる点があったわけですね。

 

大杉:私がいとしやを「布団屋」ではなく、快適な睡眠のための「眠り屋」として歩み始めたときからの想いと、カシュガイ族の織り子さんのギャッベに対する「想い」がとても通じるものがあったんです。単に絨毯(モノ)を売る、ということではなく、心地よいものを取り入れて心豊かに暮らす体験(コト)を提案したいという想いと重なるなぁと。

 

ギャッベ_いとしや_インタビュー6

 

Q : 2011年にギャッベを販売し始めてから今日まで、お客様の反応の変化などはありますか?

大杉:販売当初のお客様は、ギャッベに惚れ込んでというよりどちらかというと「いとしやさんが良いっていうなら・・・」という感じで、ご購入頂いた方(いとしやのコアファン)も多かったと思います。でもご購入いただいたお客様のほとんどは、私と同じようにギャッベの魅力を毎日の暮らしの中で実感し、その愛着が日に日に増しているという方が多いですね。

 

最近、ギャッベを取り入れているお客様のお宅に、ホームページの掲載用に取材に行ったりしているんですけど、実際に使ってもらっているお客様が、「ウチではこんなふうにしてギャッベを使っている」「ギャッベをリビングに敷いてから、家族でくつろぐ時間が多くなった」「部屋の雰囲気が穏やかになって、すごく寛げる」など、なんだかとても楽しそうに話してくれるのが嬉しくて。

 

今ではギャッベの「リピーター」も多いんですよ。

 

ーーギャッベのリピーター!?

 

大杉:ギャッベの「リピーター」ってなんだかすごいですよね(笑)。でも一度ギャッベの魅力を知ったら、次は玄関用、ベッドサイドに、壁掛けや車のシートにも・・・と買っていかれる方も多くいらっしゃいます。(リピーターからコレクターに深化する方もいます。笑)

上質なギャッベを設えてみると本当に実感しますが、単なる床の敷物という認識から、「これはアートだ!」っていう感覚に変わります。

アート(芸術)ですから、絵を飾るように、いろいろなところに置きたくなるのも自然なことだと思います。

その方の感性がそうさせるのですから・・・

 

ーーそれだけギャッベに魅力を感じている人が増えてきているということですね。しかし最近は、他店やネットなどでも、ギャッベを取り扱うところが、かなり増えてきましたよね。

 

 

Q : そういった他社のギャッベとは異なる、【アートギャッベ®】の魅力ってどういうものなのですか?

大杉:以前のコラムで、スタッフの伊東も力説?(笑)していたように、【アートギャッベ®】は、イラン南西部のカシュガイ族の織り子さんが、代々受け継がれてきた技法で手織りしたギャッベのなかでも最高クラスのクオリティのもので、ギャッベの工房のなかでもトップランクといわれるイランの「ゾランヴァリ社」のものです。

 

最近では、ギャッベ風の絵柄をモチーフにしたラグマットや、手織りではあるけれどインド製のものなど、さまざまなものが売られていますが、そういったものとは歴史や織り子さんの技術や想い、デザイン、機能性とすべてが異なります。

 

アートギャッベ4_大分_いとしや

 

例えば糸の原料となる羊毛も高地を遊牧する羊の冬毛だけを使っていたり、染めも草木染めで何日も手間ひまかけて染め上げたり。また「ゾランヴァリ社」が買い取るギャッベは、織り子さんのなかでも特に技術力や感性が優れた織り子さんが作ったものを集めていて、そのクオリティの高さは世界中のギャッベファンから厚い支持を得ているんです。

 

ギャッベ自体は、もともとは古くからカシュガイ族という放牧民が自分たちの暮らしの必需品として織っていた絨毯。高地という厳しい自然環境から生命を守り、運搬移動にも便利でしかも丈夫。そして人々の日常に安らぎやくつろぎを与えてくれるものとして、普段の暮らしにごく当たり前に存在しているものなのです。

 

天然の素材からつくられているからこその心地よさを素足で体感

大杉:【アートギャッベ®】の最大の魅力は「天然素材」を使っているという点です。

 

化学繊維で作られたものにはない、天然の素材が醸し出す独特の心地よさがあるんです。ちなみに一般的な絨毯のイメージっていうと、秋・冬に敷くもの、という人が多いと思うんですが、ギャッベは一年中使えます。春や夏はサラッとした感触、秋・冬は保温性に優れていて、その心地よさは素足になれば必ず分かります。

 

現代人は靴下と靴を履いて、アスファルトの上を歩き、家もフローリングという方も多く、昔のように、土や畳、柔らかい草やゴツゴツした石の上など、いろんな場所を足で踏みしめて体感するということがなくなっているように思います。しかし足の裏は体に心地よいとされるツボがたくさんあるように、やっぱり感覚をつかさどるうえでもとても大事な場所なんです。

 

だから【アートギャッベ®】の魅力をまず体感するなら「ぜひ素足で歩いて踏んでみてください」と、いつもお客様にお伝えしています。

 

これはプライベートでも暮らしにギャッベを取り入れ、【眠り屋】として長年睡眠学を学んできた私の個人的な見解ですが、玄関で靴を脱ぎ、リビングで裸足になってギャッベの上に居ると、まず間違いなく自律神経の副交感神経が優位にたちリラックスできます!化学繊維の糸を使って作られた絨毯やラグマットでは味わえない、天然素材そのもののなんとも言えない心地よさって必ずあるんですよ。

 

いとしやにギャッベを見に来られたお客様のなかには、小さなお子さん連れの方もいらっしゃるのですが、お子さんもギャッベの上だと気持ちがいいのか、気づいたら靴下脱いで嬉しそうにギャッベの上ではしゃいでるんですよね。ごく自然に、素足でギャッベを踏んだり全身を使って寝転んだりして…。

 

気持ちいい!」って素直に感情を出せる。気持ちいいから自然と腰を降ろしたくなる、そしてウトウト眠くなる。ギャッベは自律神経にもやさしい、そんな存在なんです。

 

ーー【アートギャッベ®】には、効率が重視され機械で大量につくられるものにはない、特別な何かがあるんですね。

 

大杉:【アートギャッベ®】は機能性やデザイン性が優れているだけでなく、現代人が忘れかけているコトを教えてくれるものだと思っています。

 

ギャッベ_いとしや_インタビュー4

 

今の時代は、情報が溢れ返り、たしかに生活は便利になってきましたし、これからもIT化などがすすむにつれ、ますます便利な世の中になってくると思います。でも逆に考えれば、それだけ人と人、家族間の「肌感覚のつながり」が減ってきているようにも思えるんです。

 

昔はテレビや電話、コタツetc…家の中にあるもののほとんどが1つしかないのは当たり前で、それを家族みんなで共有していましたよね。でも今は違う。今は家族それぞれがスマホを持ち、部屋ごとにテレビがあるようなパーソナル化された時代だから、ある意味一人ひとりがそうしたモノたちをワガママに使っても誰からも文句も言われない、自由な時代になりました。しかしその反面、何か大切なこと…「慮(おもんぱか)る力」「人を思いやる感性」「お互いを認め合うための暗黙のルール」みたいなものが失われてきているようにも感じるんです。

 

ギャッベが家のなかに存在することによって、自然と家族同士の心地よい距離が近くなる。家族同士の距離が近くなると、お互い良い意味で気を使うというか、思いやることの心地よさや温もりを肌と心で感じられるのではないかなぁと。最近流行りの「インスタ映え」する空間をつくるためではなく、家族が本当に心身ともにリラックスして「くつろぐ」ことができると思います。

 

ーー誰かに見せるためのコーディネートのためではなく、家族みんなが自然と集まれる場所をギャッベが作ってくれるなんて、なんだか素敵ですね。

 

大杉:先ほども少し話しましたがカシュガイ族も、自分の感性を大切にしたギャッベを織り、それを毎日の暮らしに取り入れ後世へ受け継いでいる。決して華美な暮らしではないけれど温もりのある暮らしを大切にしているところが、いとしやの御提案したい「心豊かで心地よい暮らし」と重なっているんですよね。

 

ーーそれにしても「眠り屋」さんがここまでギャッベについて語れるとは…すごいですね。

 

大杉:でしょ?(笑)。でもギャッベに限らず寝具やベッド、家具などを単に「モノ」としてとらえるとなかなかつながらないけれど、いとしやではこれらはすべて「快眠」のために選びぬいたものであり、心地よく暮らす心地よく眠る、という「コト」につながっているんです。

 

ーー確かに。ギャッベがあることでリラックスできる。そして質の高い眠りへと導かれるということですね。

 

 

Q : ところでいとしやでは恒例となっている「ギャッベ展」ですが、2018年11月10日~18日に行われたギャッベ展では、カシュガイ族の織り子さんが来店されたそうですね。

大杉:16回目にして初めて(笑)。彼女たちに来ていただき、展示会の期間中実際にギャッベを織る実演をしていただきました。私もスタッフも機会があればぜひ間近でその様子を見てみたかったですし、何よりも展示会に来てくださるお客さんに見ていただきたかったので。

 

それがこちらです。⇩⇩⇩

さらにここから、締め糸(ヨコ糸)を通して、もう一度叩きます。(お店で、その技に見入ってしまって、動画撮るのを忘れてしまいました。笑)

 

ーー実際にカシュガイ族が手織りする様子を見ていた、お客様の反応はどうでしたか?

大杉:【アートギャッベ®】が大好きというあるお客様は、やっとカシュガイ族と対面することができたことに感激し、涙を流されている方もいらっしゃいました。

 

寡黙に、丁寧に、ひたむきにギャッベを織る姿を見て、ギャッベを織ることの大変さや尊さを目の当たりにされ感極まられたのでしょうね。確かに織り子さんの感性のままに、絵柄をイメージしながら手作業でコツコツと織られる様子を見ることができたことは、私達にとっても、幸せで、かけがえのない時間でした。

 

ギャッベ_いとしや_インタビュー7

 

ーーただ出来上がった「物」としてのギャッベを見るだけではわからない世界を感じ取っていただけたんでしょうね。

 

大杉:そうなんです。私はお客様に「ギャッベを単に買ってもらいたいということではない」ということを、この展示会ではお伝えしたかったんですよね。アートギャッベ®を扱い始めた当初は上っ面な知識しかなかったけど、だんだんとギャッベの魅力を五感で知るに連れて、品質はもちろんですが、文化や伝統とか、民族の誇りを感じるようになったんです。

 

ひとつのギャッベには多くのカシュガイ族の文化や歴史、そして人として大切な事への想いが詰まっている。それをひとつの空間でお客さんと一緒にゆっくりと味わいたかったですし、それが今回実現できて本当によかったなと思っています。

 

 

Q : 大杉さん的「運命のギャッベ」と出会うコツのようなものはありますか?

大杉:そうですね。ギャッベの魅力は単に絵柄がいいとか、インテリアにマッチするとかそういうことだけではないですからね。よく「オススメはどれですか?」ってお客様に聞かれたら「オススメするものではなく、お客様の素敵な感性で選んでいただきたいです」とお伝えしています。

 

ギャッベの機能だったり説明はネットでも情報はたくさんあります。でも自分や家族にとって本当にどれがいいか?を選ぶのって、最終的にはやっぱりその人の感性(直感)で選ぶべきだと思うんです。

 

 

だからよくギャッベ展にお越しになるお客様には「あまりいろいろな情報を入れないできてくださいね」と言っています(笑)。前情報が入りすぎてしまうと、かえってその知性が、素直な感性を邪魔しちゃうことがよくあるからです。

 

むしろギャッベについてあまり知らないほうが「これ素敵!」っていうとっておきのものに出会えることが多いんですよ。だから素直に見て、感じて、触って、選んでほしいですね。(そういう方のほうが、買ったあとも愛着をもって大事にお使い頂けているように感じます。)

 

ーーなるほど。素の状態で、直感を働かせて、ギャッベを体感して選ぶことが大切なんですね。

 

 

Q : 今後もギャッベ展は行う予定ですか?

大杉:はい。いとしやでは年2回のみの開催ですが、年々コアなギャッベファンが増え、ファンの方が何度も足を運んでくださる貴重な機会ですので、今後も実施する予定です。

 

ギャッベ展はこれまで同様に、実際にギャッベを触って体感することのできる展示会でありたいのはもちろんですが、いとしやでギャッベと出会い、ギャッベに魅せられたというお客様同士の集いのようなものも今後は行いたいですね。

 

自分たちなりの使い方のアイデアを語り合ったり、写真を見せ合ったり、そんなこともできたら楽しいかなぁと思っています。また、いつかギャッベを暮らしに取り入れてみたいけどいきなり大きなサイズはちょっとハードルが高いな…という方のために、2月には「ミニアートギャッベ展」を開催する予定です。ミニアートギャッベ展では、玄関マットサイズくらいの小さなギャッベを多く取り揃えていますので、まずは試しに…という方にもぜひお越しいただけたらと思っています。

 

 

Q : 最後にアートギャッベ®を通してお客さんに伝えたいことってどんなことですか?

大杉:ギャッベには今の時代で何か埋まらないものを埋めてくれる、そんなチカラがあるように思います。

 

人の手によってつくられたギャッベだからこその温もりや優しさ、癒し、和みなど、忙しい現代人が少し忘れてしまいかけている大切なものを思い起こさせてくれるような気がします。

 

そんなギャッベを日々の暮らしに設えることで、家族一人ひとりが繋がり、心から安らげる大切な場所を創ってもらえたらなぁと。

 

またギャッベは50〜100年使い続けられる優れた耐久性をもっています。永く愛せるものを生活に取り入れることで、家族の思い出や歴史を育むものとして受け継いでもらえたらなと思っています。

 

『芸術は、共に生きるためのものであり、芸術は人の精神的な環境になるのだ。』

                                                                    by ピーター・ファーディナンド・ドラッカー

 

 

ーー今日はありがとうございました。

 

 

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